創業明治三十九年 仁生堂薬局
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東京薬草散歩

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2015-06-29

第5回 新宿御苑の薬草・薬木

梅雨晴れの日、気分転換を兼ねて新宿御苑の植物を見てまいりました。今回は特に薬用植物にフィーチャーして写真を撮ってきました!

広い芝生に大きな樹々が点在する「イギリス風景式庭園」で、ひときわ大きな葉っぱのホオノキ(モクレン科)が遠目にも判ります。
生薬名はコウボク(厚朴、和厚朴)。樹皮を用います。半夏厚朴湯などの漢方処方に配剤されています。
大きな葉っぱゆえ、ホオガシワという別名もあります。アカメガシワと同じネーミング方法ですね。

ホオノキの葉・集合果・芽

たいていは高い高い梢の上に花が咲いて、望遠レンズが欲しくなるホオノキですが…
新宿御苑のホオノキは、低いところにも枝が降りてきていて、観察や撮影にはとてもありがたい樹形です!
5月に咲き誇ったであろう花は既に終わり、果実が成長しつつあります。葉と果実の付き方がよく判ります。またホオノキは1個の花に多数のめしべがあり、果実も集合果であることがわかります。
果実の右側には、早くも来年の芽が用意されていますね。この芽の中には、10枚ほどの葉っぱと、来年の花のモトがセットで収まっており、来年の春に展開します。
(葉っぱだけのスリムな芽をつける枝もあります)

2012年秋にリニューアルオープンした温室を覗いてみます。

ゴジカ。3-4cm程の鮮やかな花

こちらの赤い花はゴジカ(午時花)。従来はアオギリ科、最近ではアオイ科に分類されることもあります。花は朝寝坊さんで、AM11時頃から開きます。なので、「ひるどきの花」=「午時花」。
インド原産で、東南アジアでは全草がお茶として飲まれているようです。
東京都薬用植物園では外で真夏に咲きますが、こちらは温室で、一足早くご対面。

コアな植物マニアの皆様の語るところでは、「前の温室のほうが面白かった」との声もしばしば聞かれます。
確かに、建て替わる前の温室は、よくわからない植物たちが所狭しとひしめいてワンダーランドでした(笑)
私としては、明るく歩きやすくなった今の温室も気に入っております!

さて、植えていないけど生えている植物…いわゆる雑草にも目を向けてみましょう。
いわゆるザッソーでも、日本薬局方収載生薬となる植物がけっこう生えているものです。

クライミングなキカラスウリ(♂)

たとえば方々の木によじ登っていたキカラスウリ(ウリ科)。
根はカロコン(栝楼根・瓜呂根)。解熱、咳止め、渇きを止める薬方に用います。根のデンプン質の粉は天花粉。昔からのベビーパウダーですね。種子も生薬で、カロニン(栝楼仁)といいます。
花は夜に咲きますので、昼間はしぼんでおります。朝の開園一番で行けば、しぼむ前の花が撮れたかもしれません。
雌雄異株です。花の基部に子房らしきものが見えませんので、これは雄株のようですね。雌株には、秋になると、見た目レモンみたいな果実がツルからぶら下がります。

もう少し暗い木陰には、普通のカラスウリもありました。環境によって棲み分けているようです。

地を這うヤマノイモたち

薄暗い林床にヤマノイモ(ヤマノイモ科)が這っているのも、何箇所かで見かけました。
ところで、イモは根菜類ではありますが、必ずしも根っことは限りません。サツマイモのイモはですが、ジャガイモとサトイモはが肥大したものです。ついでに申しますとタマネギはイモとは呼びませんが、の肥大した部分を食べております。
それではヤマノイモのイモは何かというと……根であるか茎であるか、どちらでもないのか、見解が定まっておりません。
どちらでもない、根と茎の中間的な部位であるとの見解では、ヤマノイモ科など一部の植物だけにある器官、担根体(たんこんたい)という用語を使っています。
日本薬局方のサンヤク(山薬)の項においては、根茎(担根体)と併記してあります。
このヤマノイモ、他の植物があれば巻き付いて登っていくところですが、それがないので地面を這っていますね。一面ヤマノイモのツルです。地下には結構な量のイモが埋まっているかもしれません。笑

それではまた!ごきげんよう。

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