創業明治三十九年 仁生堂薬局
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東京薬草散歩

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2016-04-30

第15回 派手から地味まで薬草満開の春

こんにちは。
4月、東京都外へのお出かけが続き、東京薬草散歩のためのロケが十分にできませぬでした…(言い訳)。
というわけで…古巣(^^;)東京都薬用植物園で咲いた/咲いている、薬草たちの魅力あるお花をご覧頂きたいと思います。

朝日を浴びる、薬用ボタン

花の王、ボタン(ボタン科)。4月中旬の撮影。
ボタンは、もともと薬用植物として、日本へやってきました。
やがて花の美しさに魅せられて、園芸植物としても楽しまれるようになりました。

こちらのボタンは、薬用とする品種です。
この濃厚で深遠な色合い、いかがでしょうか?花そのものの美麗さは園芸のボタンにも負けていません。
しかし、このボタン、いかんせん花の盛りが短い! せいぜい1週間です。
園芸品種というのは、花の色かたちやサイズだけでなく、花持ちよく、花期が長くなるようにも改良されているのだと、解ります。

ところでその園芸品種のボタンは、たいていシャクヤクに接ぎ木した苗で流通しています。
ボタンは、ふやすのが難しい植物です。一重や半八重の品種はタネをとることも可能ですが、親と同じものは、まず出てきません。

シャクヤクはボタンと同属なので接ぎ木が可能で、かつ草本で1年間の成長量が大きいので、根の太りが速いです。
ボタンの枝をシャクヤクの根っこに接ぎ木する方法で、ボタンの苗木を量産することが可能になりましたし、接ぎ木苗は、育ちも良好です。

しかるに、ボタンの薬用部分は根の皮です(ボタンピ)。
そのため薬用のボタンはボタン自身の根でなくてはならず、シャクヤクの根に接ぐというテが使えません。
したがって、樹の成長は、どうしても園芸品種に比べてゆっくりになります。

なお、シャクヤクの花はこれからです。5月の10日過ぎには見頃となるでしょう。

ゲッケイジュの雄株。割とよく見る

さて、写真はまだですが、東京都薬用植物園ならではのケシの花が咲き始めています。
5月1日から20日までは、ケシのエリアを厳重に囲っている二重のフェンスの外側が開かれて、いつもより近くからケシの開花を見ることができるようですよ!

お次はこちら。ゲッケイジュ(クスノキ科)です。地味な花ですが…
ハーブ/スパイスとして有名ですね。ローリエあるいはベイリーフの名前で売ってて、シチューなどに使うアレです。
売ってるのは葉っぱだけですので、花をご存じない方もいらっしゃるかと存じます。
ところで、ゲッケイジュは雌雄異株です。葉っぱは雌雄どちらでも良い香りなので、同じように使えます。

ゲッケイジュの雌株。超レアです。

雄株は、クリーム色のやや地味な花を咲かせます。
雌株はさらに地味な花を咲かせます。
日本では、ゲッケイジュの雌株は非常に珍しいです。

園内の売店「草星舎」の前に、雌株が植えてあります。ご興味のかたは是非。果実がなったら、またレポートしたいと思います。

大地のリンゴことカミツレ(キク科)も見頃ですね。ジャーマンカモミールと呼ぶほうが普通でしょうか。
カモミールといったら普通はこれ。秋蒔き、春咲きの越年草です。
(ローマンカモミールという多年草のもあり、それはもう少しあとに咲きます)

カミツレ(ジャーマンカモミール)

風が強い日だったので、花が踊っています(笑)
4月前半から咲き出しておりましたが、花数が増えてきました。
満開になると、リンゴというだけあって、甘くすばらしい香りが風にのって漂います。

この花に、消炎・発汗などの薬効があり、風邪など用いられました。ヨーロッパの伝統的な民間薬ですね。
うがい薬などに使われている、消炎や粘膜修復効果のある青い化合物アズレンは、今は合成でつくられていますが、かつてはカモミールの花を蒸留した精油から得ていました。
だから、カモミールの精油は青色を呈します。
この白と黄色のカモミールに、深い青が潜んでいるというのも不思議です。

それではまた!

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