漢方豆知識

第121話　『金羚感冒散』

　金羚感冒散はかぜのひき始めで、のどの痛みや渇き、発熱、頭痛などがあるときに幅広く使用できる便利な漢方処方です。
　金羚感冒散は小太郎漢方製薬が作っている漢方薬で、中国で有名な銀翹散という処方に消炎解毒作用のあるレイヨウカクを加えたものです。この配合により、様々な種類の細菌感染やウイルス感染によるかぜ症状に利用でき、更に痛み、赤み、腫れ、発熱のような熱症状に対して優れた効果を発揮するため、高熱による障害の予防にも役立つと考えられます。
　くしゃみ、のどの違和感や寒気があらわれるかぜの引き始めにはまだかぜの邪は体表にある状態です。金羚感冒散はこの邪が体内に入り込まないように発散し、追い出して、炎症をおさえることでのどの痛みや渇き、熱を緩和し、かぜを治すのです。
　金羚感冒散は感染症が流行る時期に常備しておくとよい漢方薬です。

令和6年10月18日　足立よみうり掲載