漢方豆知識

第122話　『手足の冷え』

　冷えを改善する漢方薬はタイプによって変わります。
手足が冷えてしもやけになる、指先が蝋のように白くなる場合は、冷えを跳ね返す力が弱く、温かいきれいな血液を指先まで巡らせることができなくなってしまった状態です。このタイプは、当帰四逆加呉茱萸生姜湯（とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう）や、甘くて美味しいシロップ剤の婦宝当帰膠（ふほうとうきこう）を選びます。
　冷えに加えてお腹が弱く下痢しやすい場合は附子理中湯（ぶしりちゅうとう）でお腹から温めて丈夫な体にしてあげます。
　体の痛みや痺れがあるなら、桂枝加朮附湯（けいしかじゅつぶとう）や独活寄生丸（どっかつきせいがん）などが効果的です。
　全身の冷え、足腰の弱り、慢性的な疲れがあるなら、海馬補腎丸（かいまほじんがん）で疲労回復力、生命力といった根本的な力を補い、冷えを改善します。

令和6年11月15日　足立よみうり掲載