漢方豆知識

第109話　『生理痛』

　生理痛は無いのが理想です。軽い痛みや多少の違和感はあるものの、痛み止めが欲しくなるほどの痛みは正常とは言えません。
　生理痛を起こす原因に子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、それ以外の月経困難症などがありますが、中医学で考える生理痛の大きな原因の一つは、血流の滞りである「瘀血」です。
瘀血を引き起こすのは、血液の汚れ、ストレス、冷え、血液の不足、疲れ、体力の低下、他の疾患など、人により様々です。
きれいな血液が豊富に流れ、ストレスを貯めないように、身体を冷やさないようにしてゆくと生理痛は緩和され、子宮も身体も良い状態になってゆきます。
そのための助けになる漢方薬はたくさんあり、甘いシロップ状で飲みやすい婦宝当帰膠、ストレスやイライラを緩和する加味逍遙散、キュウ帰調血飲第一加減や桂枝茯苓丸などは筋腫、内膜症、腺筋症の治療にも役立ちながら生理痛を緩和します。漢方薬を利用してみてはいかがでしょうか。

令和5年10月20日　足立よみうり掲載