創業明治三十九年 仁生堂薬局
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東京薬草散歩

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2015-08-31

第7回 小河内、小菅、多摩川源流

8月は、月初の連続猛暑日、中旬のまあ普通に暑い日、そして下旬に入ってからの連続低温&日照不足…と、ちょっと極端な天気でしたね。
みなさまにとっては、どんな8月だったでしょうか?

わたくしはお盆の1日、こどもたちの野外学習の手伝いで、多摩川の源流を旅してきました。
今回は、そのとき見かけた薬用植物たちをご紹介。
山梨県まで足を延ばしてきましたゆえ、これまた半ば「東京」薬草散歩ではないのですが…^^;
時間が経って、月末押し詰まってからのアップですみません。

ゲンノショウコ 白花

「多摩源流・水の館」近くで、ゲンノショウコ(フウロソウ科)発見。効き目がテキメンで「それがなにより現の証拠」が名前になった…という薬草ですね。
漢方処方には使いませんが、日本薬局方に収載され、不動の地位を保つ民間薬です。
7月~10月ころまでの、意外と長い期間、咲いています。
土用の頃、花の咲き始めに収穫して日干ししたものが良い、と言われますね。
このころに有効成分が最も豊富といわれます。またを確認して収穫するのは間違いを防ぐ意味でも理にかなっています。
葉っぱの形だけですと、似たような掌状の葉っぱの、キンポウゲ科の毒草ケキツネノボタンとか、トリカブトとか…がありますから…。ご自分で野生品を探される場合は要注意です!
ゲンノショウコの花色にはいくつかあり、東日本には写真のような白みの花が多く、西日本には紅紫色の花(俗に赤花と呼ぶことが多い)が多く分布しています。

ダイズの原種、ツルマメ

付近には、紫色のかわいい花をつけたツル植物が群生しておりました。
これは、ダイズの原種となったツルマメ(マメ科)です。
ダイズって薬草のイメージが薄いかもしれませんが…黒大豆もやしを乾燥させた大豆黄巻(だいずおうかん)という生薬があります。また大豆の健康効果は言うに及ばず、ダイズ油には日本薬局方規格がありますから、薬草と言って差し支えないでしょう!

大豆、小豆、さやえんどう、いんげん豆、ひよこ豆、落花生…と、いろんな豆を私達は食べておりますが、マメ作物ではダイズとアズキの2種だけが、日本に原種が存在しています。
国立歴史民俗博物館の研究によると、関東地方西部から中部地方の縄文期の遺跡からツルマメ種子の痕跡が出土し、しかも時代を下るほど大型化しているとのことです。
これはつまり縄文人がツルマメを栽培し、大きな粒のものを選びながら、やがてダイズが生まれていった過程であると…。
ツルマメを作物化してダイズをつくりだしたのは中国、と長年考えられてきましたが、そんなわけで、ダイズのふるさとは日本、しかも関東地方西部から中部地方とする見解も近年有力のようです!
このツルマメ、ツルや葉に茶色い産毛が密生しています。実にも密生します。枝豆のサヤも産毛に覆われていますが、この植物譲りの性質ですね。

クズの花と、ダムの堤体

都民の大事な水源地、奥多摩湖。正式名称は小河内貯水池といいます。この日の貯水率は92%、ことしの8月は、例年より水が多いようです。
高さ140m(!)のダム堤体からから下界を見下ろす高みに、クズ(マメ科)が咲いていました。
クズは、秋の七草のひとつです。秋の七草って、けっこう夏のうちから咲き始める種類が多いです。おそらく、秋の気配をいちはやく教えてくれる花たちを選んだのでしょうね。
根は葛根湯でお馴染み、葛根(かっこん)。花は葛花(かっか)、二日酔いの薬です。クズの花は良い香りがありますが、ぶどうジュースみたいな香りと思うのは私だけ?
(*なお、WindowsXPでごらんの場合、の字が、正しくない字形で表示されています。)
根のでんぷんは「葛粉」ですね。でも安いのはジャガイモのデンプン…。本葛は高級品!


(参考)野外学習の模様

ちなみに野外学習では、こんな体験をしてきました。岩歩き、沢登りです。写真の場所は前半最大の難所!!
基本的には、こどものチャレンジ精神に任せます。
もちろんヘルメットとライフジャケットを着用して、危ないことのないよう、おとながサポートしますけど。
岩の感触、滑りやすさ、膝の深さでも流れる水の勢いがけっこう強いことなど、肌で実感します。
これをクリアすると、こどももおとなも、達成感とともに、ちょっと度胸もつくように思います。笑
水温は16~17℃ほどで、沢沿いはヒンヤリして寒いほどでした。

ことしは秋の訪れが早そうです。秋は、都内植物園の薬用植物紹介もしたいと思っております。(^^)
それではまた~!

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