創業明治三十九年 仁生堂薬局
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東京薬草散歩

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2016-06-24

第17回 星薬科大学ふたたび

6月11日(土)、星薬科大学で公開講座が開催されました。
午後の部、植物園の公開「春の薬草見学会」が誠に興味深かったので、見てまいりました!

屋内展示&ワークショップと、植物園の自由見学(スタンプラリーつき)が同時に楽しめる構成となっておりました。

まずは屋内展示からご紹介します。

ジャーマンカモミール蒸留風景

こちらは私めの目を引いた、ジャーマンカモミールの水蒸気蒸留実演!

ジャーマンカモミール(キク科 和名カミツレ)を水蒸気蒸留すると、青い精油が採れます。
沸騰水から上がった水蒸気は、乾燥したカモミールの花を通りぬけ、このとき揮発成分を含んだ蒸気となります。
蒸気は、冷却器で冷やされて精油と芳香蒸留水となって、ビーカーに貯まります。
精油は水より軽いので、水面に浮いていす。(植物の種類によっては水よりも重い精油が採れるものもあります。サイシンなどは精油が下に沈みます。)
蒸留開始から、1時間弱ほどで、水面に青い精油がたくさん浮いてきました!

花のどこにも青いところがないのに、この色…どこに潜んでいたのか不思議なものです。
この青い物質(カマズレン)、生のジャーマンカモミールに含まれているのか、乾燥→蒸留の過程で生成するのか、まだ決着がついていないというような説明でしたよ。
*円内のジャーマンカモミールの花は、別の場所で5月に撮影した写真です。

続いて、植物園の植物紹介。前回、冬の植物園をみていますが、今回は緑あふれる園内です。

イヌカンゾウ。マメ科らしい葉っぱ。

これ、イヌカンゾウという植物。見た目、たしかにカンゾウっぽい。
ウラルカンゾウなどと同じマメ科・Glycyrrhiza属でありながら、グリチルリチンを含まず、カンゾウとしての薬用にならない植物だそうです。
こんなのがあるんですね。初めて知りましたよ。
(ウラルカンゾウは前回第16回の記事に写真がありますので、ご覧ください)

ところで、イヌタデ、イヌゴマ、イヌガラシ…などなど、イヌ○○という和名の植物、実にいろいろありますね。
だいたい、実用性の低い植物についていることが多いようです。
これ、ワンちゃんの犬のことではないという説があります。
この「イヌ」は、「○○に似ているけれど、○○ではない」という意味で、「否」(いな)が語源、という説です。
それならば、ワンちゃん好きな皆様もスッキリですね!

ドクニンジン。円内は茎の様子

こちらの細かい花序をいっぱいつけた繊細な感じの草…
これは薬草というよりも毒草…ドクニンジン(セリ科)です。ヨーロッパ原産。ヘムロック。そう、ソクラテスの毒殺に用いられたと言い伝えられている草です。
茎に、赤紫色の細かい斑点があるのが特徴のひとつです。

ところでこの虫、赤と黒のシマシマのアカスジカメムシ、セリ科につく害虫として有名でして、パセリやウイキョウなんかの花とか未熟果実に、よく群れているやつです。
家庭菜園などで、見たことある方も多いのではないでしょうか…?
このカメムシは、明らかにドクニンジンの汁を吸ってます。ドクニンジンの毒素は、虫には効かないのでしょうか?なんとも不思議です。


敷地の端に、ものすごい勢いで生長する若木をみつけました。カギカズラ(アカネ科)です。

カギカズラ。カギが1個2個…

こちら、このクルッと巻いたカギ状トゲのところがチョウトウコウ(釣藤鈎)という生薬で、頭痛、高血圧、小児のひきつけなどに用いる薬方に配合されます。
カギ「カズラ」というくらいですからつる植物です。ただしアサガオのように巻き付く性質はなく、このカギでもって他の植物に引っかかって、覆いかぶさって繁茂します。
暖地ではこいつがガンガン伸びて、けっこう厄介者扱いされているようですね。

よくよく写真を見ると、カギが1個の節と、2個の節が交互になっていることに気が付きます。
(昨年の、明治薬科大学のときにも紹介しておりますが…今回のほうが解りやすい写真かと)
なんだか行進しているみたいですね!(笑)
生薬では、カギ2個のものが双釣藤(そうちょうとう)とよばれ、良品とされます。

それにしても、そもそもどうやって、これが薬になることに気づいたんでしょう?
先人の知恵は偉大です。

この知恵の集積が、現在の知識体系となって、その気になればいつでも学べるようになっているのですね。
いや~、行ってよかったです。
それではまた!

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