創業明治三十九年 仁生堂薬局
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東京薬草散歩

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2016-02-28

第13回 小石川後楽園 冬の佇まい

東京にどっかりの降った数日後。
寒風の「小石川後楽園」で、冬の植物・薬草のたたずまいを観察してきました。
はい、つまり先月のことです。
取材から掲載まで間がひらいてしまいました。申し訳ないです…

道路の雪は既にすっかり融けていました。
さすが都会(^^)多摩とはちがいます。

冬の庭、雪吊りと積雪

こちらは雪吊りの樹木。樹種はクロマツでしょうか。
池の中島には、また積雪がほどよく残っていて、冬の庭園らしい落ち着いた風情をみせていました。
すぐ後ろを振り返れば東京ドームがデデンと鎮座しているロケーション。

平日で、寒い日でしたので、園内の人出はまばら…。
園内ではウメ、ロウバイなどが早春の香りを漂わせ、雅な香りでした。
そんななかで、あまり目立たず、意外な薬草たちをご紹介したいと思います。

ツワブキもふもふ

ツワブキ(キク科)
こちらの茶色のモフモフは…ツワブキの痩果(そうか:いわゆるタネ)。
生薬名はタクゴ(橐吾)。葉っぱを、腫れ物、軽度のやけどなどに外用する民間薬として知られています。
海沿いなどに多く産する常緑の草で、暑さ寒さに強く日陰でもOK、お庭の修景には重宝ですね。斑入りの園芸品種もあります。

地味めな草ですけど、寒い時期に咲く黄金の花は綺麗です。
真冬でも花が咲き残っていることもありますよね。
痩果は、冬に成熟します。タンポポと同じように冠毛をもち、冬の強い風に乗って、新天地を求めて旅立ってゆきます。

冬をしのぶトキワイカリソウ

トキワイカリソウ(メギ科)
斜面一面に植栽されていました。これは意外…。
つややかな厚手の葉をもち、冬も枯れないイカリソウの仲間。日本海側の雪の多い地方の山地が原産です。
トキワすなわち常緑とはいうものの、冬の間はくすんだ色になっています。春から夏には、葉の色はもっと鮮やかな緑色をしています。
5月~夏頃の、地上部の勢いが良い季節に、これを収穫し、一般には酒に浸して、強精・強壮薬として服用します。
生薬名はインヨウカク(淫羊霍)といいます。
3月から4月に、独特のかたちをした花を咲かせます。花は白。ピンク~紅紫色もあります。
花の咲いた様子も、今春にレポートできたらと思います!(場所はこことは限りませんが…)

冬空とサイカチ

サイカチ(マメ科 ジャケツイバラ亜科)
思いがけず、東屋の前に屹立しておりました。光の具合でシルエットとなっております…。
日本特産の落葉樹。幹には、すさまじいトゲが生えています。
遠景に写っているウネウネしたものが、果実。マメ科ですから、サヤに豆が収まっている豆果(とうか)です。
泡立ちの成分、界面活性作用のあるサポニンを豊富に含んでいて、お湯に漬ける、あるいは煮出すなどして得た汁を洗濯や食器洗いに使っていました。昔の洗剤ですね。
果実が洗剤になる樹木といえばムクロジも有名。ムクロジは南方系の樹木ですから、洗剤の樹は北のサイカチ、南のムクロジといえるかもしれません。
またサイカチの実はソウキョウ(皀莢)と称する生薬であり、去痰や利尿などに用いられています。
虫たちには美味しい樹液が出るようで、夏にはカブトムシクワガタがよく集る樹でもあります。

なお、ジャケツイバラ科として独立の科を与えている文献もあります。
花がいわゆる豆の花の形(蝶形花)でなくて、各花弁が独立して、5枚の花弁がよく判る花形であることが特徴。
お通じのくすりで有名なセンナとか、はぶ茶にするエビスグサなども、この仲間です。

次回は春の訪れとともに本格始動する薬草たちの姿をお伝えできればと思います。
それでは、ごきげんよう!

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