創業明治三十九年 仁生堂薬局 東京千住

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2022-09-07

第94話 『認知症と漢方②「腎虚」』

 認知症は主にアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型がありますが、漢方(中医学)では、認知症には大きな2つの原因として
①「瘀血(おけつ)」と
②「腎虚(じんきょ)」が関わっていると考えます。
 脳の血流の低下、老廃物の蓄積が①「瘀血」。老化の加速による脳活動の低下、神経細胞の死滅や脳の萎縮は②「腎虚」と考えます。
 腎は、親からもらった生命エネルギーである腎精を蓄える臓器だと考えます。腎は発育や生殖を調整し、髪や耳を司り、水分代謝や排泄とも関わりを持ち、髄を作り出して脳に達して脳を養うとされています。
 脳を養うための腎精が不足してくると老化現象は加速します。これが「腎虚」の状態です。そのため、アルツハイマー型やレビー小体型のような脳細胞の死滅や脳の萎縮がみられる認知症には、腎を補うための補腎という作業が大切になると考えられます。
補腎ができる漢方薬には地黄丸類、参馬補腎丸、参茸補血丸、海玉宝、亀鹿仙などがあります。

令和4年7月21日 足立よみうり掲載

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