漢方豆知識

第80話　『臭覚障害』

「臭覚障害、臭覚異常」の効能・効果が日本で初めて認められた漢方薬が発売されました。
麗澤通気湯加辛夷（れいたくつうきとうかしんい）です。
中医学では、臭覚は肺が司る働きの一つと考えます。感染の後遺症、他の病気からの二次的症状、外的刺激や傷害、ストレスによるものなど何らかの原因で肺の機能が低下し、流れが阻害されるとニオイが分かりづらくなります。ニオイが分からない、いつもと違うニオイに感じる、ニオイの感じ方がおかしいなども臭覚異常の一つになります。
この場合は、低下した肺の機能を助け、阻害されて閉じた流れを通じさせることが正常な臭覚を取り戻す助けになると考えます。
　麗澤通気湯加辛夷には14種類の生薬が配合されています。スッとした良い香りの生薬がたくさん配合されていて、閉じた流れを開かせる作用に優れる配合となっています。通りをよくする作用により、臭覚障害だけではなく、鼻づまり、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症などの改善にも期待できる処方となっています。

令和3年5月21日　足立よみうり掲載

210521漢方豆知識第八十話臭覚障害.pdf