創業明治三十九年 仁生堂薬局 東京千住

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2016-12-19

第28話 『お正月にはお屠蘇を呑もう』

 お正月に呑む「お屠蘇(おとそ)」、これはもともと延命屠蘇散といって、古代中国の名中医師・華陀(かだ)の処方といわれています。
 「屠蘇」には、邪気を追い払い、生気を蘇らせるといった意味があり、屠蘇散は気をめぐらせて、胃腸を温めながら、風邪を追い払う処方となっています。山椒、ミカンの皮、シナモンなどが配合されていて、とても良い香りがします。
 お正月にお屠蘇を呑む風習は、平安時代に宮中で始められ、庶民に広がったのは江戸時代と言われています。お酒に良い香りがついて、きっと今で言うハーブ入りカクテルやリキュールのような感覚で流行ったのではないかと想像します。
 「お屠蘇」は、お正月の朝、屠蘇散をお酒やみりんに数時間浸して、生薬の風味が出たところで、一年の健康長寿、無病息災を願い、年少者から呑んでゆきます。
 もし、お屠蘇が余ってしまったら、小さな袋に入れて、匂い袋にしてみてください。邪を追い払うお守りにもなるはずです。
 それでは、新しい年もまた、家族でお屠蘇を楽しみながら、皆さまの心と体の健康を祈願したいと思います。
よい年をお迎えくださ


足立よみうり新聞 2016年12月16日号掲載

PDF 「お正月にはお屠蘇を呑もう」足立よみうり新聞 2016年12月16日号掲載

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