漢方豆知識

第128話　『乳児期アトピー性皮膚炎』

　アトピー性皮膚炎の多くは乳児期に発症し、憎悪と緩解を繰り返す掻痒のある湿疹を主とする疾患です。
　乳児期から２歳頃までによく見られるのは
①「湿熱型」で頭部に脂性の黄色いかさぶた、顔にジクジクした赤いポツポツ、カサカサ、体にも湿潤性の皮膚炎が出やすくなります。
湿熱型の場合には、皮膚にたまった余分な湿気と赤みを取るための、清熱解毒利湿薬、皮膚をさっぱり清潔に向かわせる五涼華や五行草茶、消化吸収を助ける晶三仙茶を足すと効果的なことも多いです。
他の体質として
②「脾虚肝鬱」を兼ねるものがあります。頭部や顔面のジクジクした赤みに加え、落ち着きが無く、よく泣く、だだっ子或いはジッと我慢しやすい、夜泣き、食が細かったりムラがあったり、お腹が弱いなどといった傾向が見られます。健脾利湿疎肝の漢方薬でお腹の中から元気に、肌を健やかにして、自律神経を整えてゆくと、徐々にかゆみも気持ちも落ち着いてきます。
冷たいもの、甘いもの、辛いもの、揚げ物、エビ・カニ類、サバ・アジ・イワシなどはできるだけ避けるようにしてください。

令和7年5月2日　足立よみうり掲載　店主　国際中医師　阿部佐知子