創業明治三十九年 仁生堂薬局
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東京薬草散歩

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2015-10-29

第9回 明治薬科大学薬草園

私の所属する東京生薬協会では、春と秋の2回、近郊各地にて「薬草観察会」を開催しています。
植物園的な施設の見学と、野外(山歩き)をほぼ半々に実施しています。
今回は、明治薬科大学の薬草園を訪れました。その模様をご紹介します^^
明治薬科大学・清瀬キャンパス。川のむこうは埼玉県所沢市です。

薬草園は、この清瀬キャンパスの正門入って右手にあります。
面積920平米(明治薬科大学ホームページより)と、比較的コンパクトな園内ながら、多種の薬用植物を見ることができました。
東京都薬用植物園では咲いていない花も咲いていたりして、参考になることも多々ございました!
では早速、植物紹介といたしませう。

タコノアシの果実

タコノアシ(ユキノシタ科)
文献によっては、ベンケイソウ科、あるいは独立の科を設けて、タコノアシ科。湿地の植物です。
平地の湿地は、宅地開発などで埋められてしまいがちです。2012年環境省レッドリストでは、準絶滅危惧(NT)
秋、涼しくなると茎や果実も含めて全草が紅葉します。夏の間は緑色です。
名前の由来は…写真で一目瞭然ですネ。赤く染まった果実がゆでダコのようです。
説明板によりますと、中国では打ち身、月経停止に用いる。とのことです。薬用部分は全草で、生薬名は水沢蘭
薬効があるとは、知りませぬでした…^^;;

秋空にそびえるクソニンジン

クソニンジン(キク科)。
はい、今年2015年、ノーベル医学・生理学賞を受賞された中国の屠呦呦(Tu Youyou)氏が研究していた植物として、俄に有名になったクソニンジンです。
現在のマラリア治療薬の主力であるアルテミシニン誘導体…その嚆矢となったのは、氏が1972年、クソニンジンの成分「アルテミシニン」に抗マラリア活性を見出したことによります。
生薬名を黄花蒿(オウカコウ)といい、中国では慢性熱病の解熱薬として古くより用いられ、また「いんきんたむし」等の寄生性皮膚病への外用薬としても使われました。
…ところで、クソニンジンとはこれまたずいぶんアレな名称ですが、まあ、その匂いから命名されたことは想像に難くありません。
とはいえ、この植物はヨモギ属でありまして、草餅のヨモギとも類似した香りをもちます。そんなに悪いニオイではないですよ!
人の背丈よりも高くそびえ立っておりますが、こんなに背が高くても、1年草です。

大きく茂ったつる性の植物たちも目を引きました。
つる性の植物は、「○○カズラ」という和名のつくことが多いですね。

アカザカズラ(オカワカメとも)

カズラシリーズその1。アカザカズラ(ツルムラサキ科)
暖かい地方では常緑、東京付近の戸外では冬に枯れる、つる性の多年草。
健康野菜として注目されているようでして、オカワカメ、あるいは雲南百薬(ウンナンヒャクヤク)の流通名のほうが有名でしょう。
ところで原産地は、南米大陸の熱帯域。雲南省関係ないよなぁ…(笑)
東京都薬用植物園では最近導入したばかりで未開花。花咲いているところを初めて見ました。
薬用としましては、滋養強壮、消腫、去痰に用いられるとのことです。

カギカズラ。釣藤鈎ですね

カズラシリーズその2。カギカズラ(アカネ科)
つるになる常緑樹。節から出るカギ状のトゲで他の植物に引っかかってよじ登る植物です。
カギのつく本数は、節ごとに1本・2本・1本・2本…と、交互につきます。
このカギ状のトゲが薬用になります。生薬名は釣藤鈎(チョウトウコウ)。高血圧の改善や、精神を落ち着ける作用(子供の夜泣きなどにも)が代表的で、釣藤散(ちょうとうさん)や抑肝散(よくかんさん)などの漢方薬方に配剤されます。
これ、東京都薬用植物園では温室に植えているのです。自然分布は千葉県南部や神奈川県南部が北限で、基本的に南方の植物です。
あ、でも以前に見学した、八王子市にある東京薬科大学の薬用植物園でも外植えしていたなぁ。
清瀬と八王子で外植えOKなら、小平市でも行けるでしょうね。

このほか、インドジャボク(キョウチクトウ科)やクミスクチン(シソ科)といった、熱帯産の薬用植物も、外で、地植えで花を咲かせていました。
カギカズラはともかく、さすがにこれらは外で冬越しは…。はどうしているんでしょう?と明薬の先生におききしましたら、やっぱり、鉢上げして、温室にしまうんだそうです。
他にもまだまだ紹介したい植物たちがたくさんですが、今回はこのあたりで。

それではまた次回。ごきげんよろしう!

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