2015-03-29
2015-05-10
2015-04-20
さて今回は、私の住む国立市のメインストリートで薬草を探してみました。
国立市のメインストリート、大学通りは、JR国立駅から一橋大学前を通り、南へ続く、幅員44メートルのまっすぐな道路です。南端は少しカーブしていますが…
こんなに幅広でまっすぐなのは、飛行機の滑走路にするつもりだったから!…というのは単なるウワサかと思いきや、昭和の初期には、どうやら本当に軽井沢行きの飛行機が発着していた模様。
(国立も、軽井沢も、西武が開発した街ですね)
写真は、大学通りに唯一架かる歩道橋から眺めた風景です。
ソメイヨシノが満開の季節には、このアングルでTV中継されることもあるので、見憶えのある方もいらっしゃることでしょう!
車道と歩道の間に緑地帯があります。ここにはサクラ(主にソメイヨシノ、一部サトザクラ他)とイチョウがほぼ交互に植えられ。春はお花見、秋は銀杏拾い…と、季節の恵みを楽しめる道でもあります。
はたして、その樹下を覗いてみると、植えられた訳ではなさそうな薬草・薬木たちを見つけることができました!
国立駅から南下して一橋大学正門の近くへ来ました。植込のドウダンツツジに覆いかぶさり、踊るように伸びているこのツル植物は…
これがスイカズラ。
葉が冬でも落ちきらず、残った葉っぱが寒さを堪え忍ぶようにみえる様子から、忍冬(にんどう)。
開花期は初夏5-6月です。ですので冬という字が入っているけれど、俳諧では忍冬は初夏の季語です。
その葉や茎が生薬のニンドウ(忍冬)。また花蕾はキンギンカ(金銀花)という生薬で、いずれも消炎作用や化膿の改善作用があります。なお金銀花とは、花が咲いた日には白く、次第に黄色く変わる様子を現しています。
このスイカズラ、たぶん植えたものではなく雑草(木)と思われ、もうじききっと刈られてしまうことでしょう。
もっとも刈られた程度で枯れるようなヤワな植物ではなく、かなり強健です。植込の中などに生えてしまうと、除去するのはけっこう難儀なんです。
こちらのライトグリーンが爽やかな葉は、コブシの葉っぱです。樹いっぱいに咲く白い花が印象的ですが、葉っぱはいたって普通です。
隣の立川市では市の花になっており、コブシの街路樹も多いのですが、国立市では見かけませんね。(どこかにあるのかな?)
この木も道端の草薮から生えており、どうも植えたものではなさそうです。どこかからタネが来たのでしょう。親木は立川の街路樹か、はたまた雑木林の自生コブシか…?
写真の黄色い円内は花の咲いた跡。これが成長して握り拳のような果実になるのでコブシとついたとか。
咲く前のツボミの状態が辛夷という生薬です。辛夷清肺湯など、頭痛や鼻づまりの改善に使われます。
辛夷と書いてコブシと読ませることも多いですが、生薬の世界では音読みして、シンイと読みます。
前述の歩道橋の近くに、クワの若木がきれいな新芽を出していました。
これも、鳥が(あるいは人が?)美味しく食べた桑の実のタネから芽生えたものかもしれません。
クワ(厳密にはマグワ)の根の皮はソウハクヒ(桑白皮)という生薬。五虎湯などの漢方処方のほか、化粧品関係にも需要があります。
葉っぱも、ハーブやお茶として利用できます。仁生堂薬局でもお取扱いしております!
クワの葉は、蚕の餌として有名ですが、人間が食べてもいいんですよ。写真くらいのフレッシュなクワの若葉は、天ぷらにすると美味しいです。
また、足もとに目をやれば、ドクダミ(生薬名:ジュウヤク=十薬)やヨモギ(生薬名:ガイヨウ=艾葉)などの薬草も簡単に見つかります。
まあ、それらはどこの道端にもある草ですので意外性ではいまひとつ、というわけで本稿では割愛(笑)
さてさて、多摩地域が2回続いてしまいました。
次回はぜひ、23区から。
それではごきげんよう。
第2回 くにたち・大学通りの薬草
先週の薬用植物園ロックガーデンのイベントは、朝があいにくの天候でしたが、お蔭様で無事できました。お越しくださった皆様、誠にありがとうございます。さて今回は、私の住む国立市のメインストリートで薬草を探してみました。
国立市のメインストリート、大学通りは、JR国立駅から一橋大学前を通り、南へ続く、幅員44メートルのまっすぐな道路です。南端は少しカーブしていますが…
こんなに幅広でまっすぐなのは、飛行機の滑走路にするつもりだったから!…というのは単なるウワサかと思いきや、昭和の初期には、どうやら本当に軽井沢行きの飛行機が発着していた模様。
(国立も、軽井沢も、西武が開発した街ですね)
写真は、大学通りに唯一架かる歩道橋から眺めた風景です。
ソメイヨシノが満開の季節には、このアングルでTV中継されることもあるので、見憶えのある方もいらっしゃることでしょう!
車道と歩道の間に緑地帯があります。ここにはサクラ(主にソメイヨシノ、一部サトザクラ他)とイチョウがほぼ交互に植えられ。春はお花見、秋は銀杏拾い…と、季節の恵みを楽しめる道でもあります。
はたして、その樹下を覗いてみると、植えられた訳ではなさそうな薬草・薬木たちを見つけることができました!
国立駅から南下して一橋大学正門の近くへ来ました。植込のドウダンツツジに覆いかぶさり、踊るように伸びているこのツル植物は…
これがスイカズラ。
葉が冬でも落ちきらず、残った葉っぱが寒さを堪え忍ぶようにみえる様子から、忍冬(にんどう)。
開花期は初夏5-6月です。ですので冬という字が入っているけれど、俳諧では忍冬は初夏の季語です。
その葉や茎が生薬のニンドウ(忍冬)。また花蕾はキンギンカ(金銀花)という生薬で、いずれも消炎作用や化膿の改善作用があります。なお金銀花とは、花が咲いた日には白く、次第に黄色く変わる様子を現しています。
このスイカズラ、たぶん植えたものではなく雑草(木)と思われ、もうじききっと刈られてしまうことでしょう。
もっとも刈られた程度で枯れるようなヤワな植物ではなく、かなり強健です。植込の中などに生えてしまうと、除去するのはけっこう難儀なんです。
こちらのライトグリーンが爽やかな葉は、コブシの葉っぱです。樹いっぱいに咲く白い花が印象的ですが、葉っぱはいたって普通です。
隣の立川市では市の花になっており、コブシの街路樹も多いのですが、国立市では見かけませんね。(どこかにあるのかな?)
この木も道端の草薮から生えており、どうも植えたものではなさそうです。どこかからタネが来たのでしょう。親木は立川の街路樹か、はたまた雑木林の自生コブシか…?
写真の黄色い円内は花の咲いた跡。これが成長して握り拳のような果実になるのでコブシとついたとか。
咲く前のツボミの状態が辛夷という生薬です。辛夷清肺湯など、頭痛や鼻づまりの改善に使われます。
辛夷と書いてコブシと読ませることも多いですが、生薬の世界では音読みして、シンイと読みます。
前述の歩道橋の近くに、クワの若木がきれいな新芽を出していました。
これも、鳥が(あるいは人が?)美味しく食べた桑の実のタネから芽生えたものかもしれません。
クワ(厳密にはマグワ)の根の皮はソウハクヒ(桑白皮)という生薬。五虎湯などの漢方処方のほか、化粧品関係にも需要があります。
葉っぱも、ハーブやお茶として利用できます。仁生堂薬局でもお取扱いしております!
クワの葉は、蚕の餌として有名ですが、人間が食べてもいいんですよ。写真くらいのフレッシュなクワの若葉は、天ぷらにすると美味しいです。
また、足もとに目をやれば、ドクダミ(生薬名:ジュウヤク=十薬)やヨモギ(生薬名:ガイヨウ=艾葉)などの薬草も簡単に見つかります。
まあ、それらはどこの道端にもある草ですので意外性ではいまひとつ、というわけで本稿では割愛(笑)
さてさて、多摩地域が2回続いてしまいました。
次回はぜひ、23区から。
それではごきげんよう。