2016-06-24
2016-08-30
2016-07-20
梅雨明けも近づき、暑い日が多くなってきました。
でも夕方6時の多摩川には、涼しい風も吹いてきます。
ぶらりと歩きながら薬草を探してみましょう。
すみません、身軽に歩こうと、一眼カメラをもたずにスマホで撮っており、一部画質がお見苦しいことになっておりますが何卒ご容赦を…
こちらの羽状複葉の低木が、本日最初にご紹介します薬草です。クララ(マメ科)。サヤを実らせています。5月頃に来れば、黄緑色の花が見られたことでしょう。
去年7月の「つくば編」でもご紹介しましたとおり、くらくらするほど苦いというのが名前の由来との由(食べたことはありません。毒です。)
根を薬用とし、生薬名をクジン(苦参)といいます。三物黄芩湯などの処方に使われています。また、駆虫剤や、皮膚疾患への外用薬としての民間薬的利用もありますが、有毒植物であり、素人療法は宜しくないですね。
地表すぐそばに、白いバラが咲いています。テリハノイバラ(バラ科)です。
河原や海岸などに多く分布するバラで、潮風などの過酷な環境にも絶えられる、ツヤのある肉厚の葉をもっています。テリハは「照り葉」、ツヤのある葉のことです。
枝は、長く伸びて匍匐します。この性質は園芸用のバラにとりいれられ、つるバラの育種に重要な役割を果たしました。
秋にここを再訪すれば、ノイバラの実よりも一回り大きい果実(偽果)が、赤く熟して目を楽しませてくれるでしょう。
かつては、テリハノイバラの偽果は、ノイバラとともに生薬のエイジツ(営実)として認められていましたが、テリハノイバラの市場流通がほとんど無いため、現在の日本薬局方では外されています。
こちら、鮮やかな黄色の小花はコゴメバオトギリ(オトギリソウ科)。
セイヨウオトギリソウの変種で、葉の小さいタイプです。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
セイヨウオトギリソウといえば、セントジョーンズワートの名前で知られておりますね。
うつ症状に効果があるとされて、健康食品などでも人気となっておりますね。しかし副作用も報告されておりますゆえ、信頼の置ける専門家のアドバイスを受け、上手に使っていただきたいものです。
6月が花の最盛期で、そろそろ残り花といった趣きです。
花弁の縁には小さな暗点があり、指で揉むと血のような暗赤色の色素(ヒペリシン)が出てきます。
こちらはニガクサ(シソ科)。橋の袂に群落を作っていました。
紅紫色の花は群生すると、園芸用の草花としてもOKな見応えです。
ニガクサという割には、苦くない模様(食べてみていないのですが^^;)。
ヨーロッパのハーブ、ウォールジャーマンダー(単にジャーマンダーとも)と同属の植物です。
ジャーマンダーは古代より消化器疾患や解熱などに用いられてきましたが、量を間違えると重篤な副作用が出ることから、使われなくなっているようです。
一方で、本種は、風邪に用いたという記事が散見されるものの、薬草として重用された歴史は、あまり無い模様ですね。
多摩川から、欧州のハーブにも思いを馳せてみました。
それではまた次回に!
第18回 多摩川薬草逍遥
今月は、いつもの散歩コースから。梅雨明けも近づき、暑い日が多くなってきました。
でも夕方6時の多摩川には、涼しい風も吹いてきます。
ぶらりと歩きながら薬草を探してみましょう。
すみません、身軽に歩こうと、一眼カメラをもたずにスマホで撮っており、一部画質がお見苦しいことになっておりますが何卒ご容赦を…
こちらの羽状複葉の低木が、本日最初にご紹介します薬草です。クララ(マメ科)。サヤを実らせています。5月頃に来れば、黄緑色の花が見られたことでしょう。
去年7月の「つくば編」でもご紹介しましたとおり、くらくらするほど苦いというのが名前の由来との由(食べたことはありません。毒です。)
根を薬用とし、生薬名をクジン(苦参)といいます。三物黄芩湯などの処方に使われています。また、駆虫剤や、皮膚疾患への外用薬としての民間薬的利用もありますが、有毒植物であり、素人療法は宜しくないですね。
地表すぐそばに、白いバラが咲いています。テリハノイバラ(バラ科)です。
河原や海岸などに多く分布するバラで、潮風などの過酷な環境にも絶えられる、ツヤのある肉厚の葉をもっています。テリハは「照り葉」、ツヤのある葉のことです。
枝は、長く伸びて匍匐します。この性質は園芸用のバラにとりいれられ、つるバラの育種に重要な役割を果たしました。
秋にここを再訪すれば、ノイバラの実よりも一回り大きい果実(偽果)が、赤く熟して目を楽しませてくれるでしょう。
かつては、テリハノイバラの偽果は、ノイバラとともに生薬のエイジツ(営実)として認められていましたが、テリハノイバラの市場流通がほとんど無いため、現在の日本薬局方では外されています。
こちら、鮮やかな黄色の小花はコゴメバオトギリ(オトギリソウ科)。
セイヨウオトギリソウの変種で、葉の小さいタイプです。ヨーロッパ原産の帰化植物です。
セイヨウオトギリソウといえば、セントジョーンズワートの名前で知られておりますね。
うつ症状に効果があるとされて、健康食品などでも人気となっておりますね。しかし副作用も報告されておりますゆえ、信頼の置ける専門家のアドバイスを受け、上手に使っていただきたいものです。
6月が花の最盛期で、そろそろ残り花といった趣きです。
花弁の縁には小さな暗点があり、指で揉むと血のような暗赤色の色素(ヒペリシン)が出てきます。
こちらはニガクサ(シソ科)。橋の袂に群落を作っていました。
紅紫色の花は群生すると、園芸用の草花としてもOKな見応えです。
ニガクサという割には、苦くない模様(食べてみていないのですが^^;)。
ヨーロッパのハーブ、ウォールジャーマンダー(単にジャーマンダーとも)と同属の植物です。
ジャーマンダーは古代より消化器疾患や解熱などに用いられてきましたが、量を間違えると重篤な副作用が出ることから、使われなくなっているようです。
一方で、本種は、風邪に用いたという記事が散見されるものの、薬草として重用された歴史は、あまり無い模様ですね。
多摩川から、欧州のハーブにも思いを馳せてみました。
それではまた次回に!