2015-12-17
2016-02-28
2016-01-16
本年も「東京薬草散歩」をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、今回は目黒にございます自然教育園から。
新春らしく梅の花…とまいりたいところですが…
若干季節をさかのぼって、昨年末に撮った風景からご紹介~♪
入園料を払って、ピンで留めるリボンを受け取るんですよね。(帰る時に返却)
目黒駅から徒歩10分、すぐ脇には首都高2号線…都心にひろがる森の風景です。
初冬の園路沿いで目立つ赤い実は、イイギリ(イイギリ科)、センリョウ(センリョウ科)など…
またムラサキシキブ(クマツヅラ科)の果実も日に映えていました。
これらは生薬として用いられることはほぼ無いとはいえ、楽しい気分にさせてくれました。さしずめ、こころの生薬と申しましょうか。
イロハモミジ(カエデ科)の紅葉も、12月時点ではまだ見頃でありました。
さて、園内を散歩しながら、見かけた薬用植物たちについてご紹介いたします。
サネカズラ(マツブサ科)
百人一首25番(三条右大臣)「名にし負はば 逢坂山の さねかづら…」で知られるサネカズラです。
古い書籍ではモクレン科となっている場合もあります。
托葉がないこと、果実が液果になること、花粉の形態などから、現在ではマツブサ科という独立科を立てています。
学名はKadsura japonica。Kadsuraは勿論「かずら」から。
どうです?お菓子のような果実ですね。
これで味もスイーツ級だったら素晴らしい…と思いきや、聞くところによると全然甘くなく、賞味するには不向きなようです。
次回、採ってイイ場所でチャンスがあったら、自ら試してみる所存です。
この果実、南五味子(ナンゴミシ)と称し、ゴミシの代用品とされる場合も時にあるようです。
もっとも日本薬局方では、ゴミシとして認められるのは、チョウセンゴミシの果実のみですね。
別名・ビナンカズラ(美男葛)は、整髪に使ったことから…
茎・葉を切って水に漬けておくと、トロトロの粘った透明な液になります。実際やってみましたら、1時間ほどでかなり粘性が出ました。
今で言うヘアージェルですね~付けたらイケメンになれますかね?笑
セキショウ(サトイモ科あるいはショウブ科)
水に洗われる岩などに着生する、細長い葉っぱの常緑の草…水辺の風景によく登場します。
これが、セキショウです。アサロンやセスキテルペンなどの精油を含み、葉を少しちぎると、さわやかな香りを漂わせる、いわば和ハーブのひとつです。
根茎には精油成分が豊富で、セキショウコン(石菖根)として、日本薬局方外生薬規格(局外生規)に収載されている生薬です。
芳香性健胃、鎮静(イライラをしずめる)などの効能があります。
局外生規では、セキショウをAraceae=サトイモ科に分類しています。もっとも、精油を含むことや葉が平行脈であることなど、多くのサトイモ科と異なる点もあって、近年は独立のショウブ科とする場合も多くなっています。
年明けて、ここへきて平年並みに寒い冬となってまいりましたが、12月の時点ではまだまだ暖冬でしたね。
そんなですから…
ほら、ノダケ(セリ科)が咲き残っていましたよ!
セリ科としてはめずらしい、紫色の傘のような花序。本来は秋に咲く花です。
9月の東京都薬用植物園編(第8回)でご紹介した花です。ゼンコ(前胡)という生薬の基原植物のひとつでしたね。
こんなかんじで、今年もゆる~く続けたいと存じます。
今後もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
第12回 国立科学博物館附属自然教育園
あけましておめでとうございます。本年も「東京薬草散歩」をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、今回は目黒にございます自然教育園から。
新春らしく梅の花…とまいりたいところですが…
若干季節をさかのぼって、昨年末に撮った風景からご紹介~♪
入園料を払って、ピンで留めるリボンを受け取るんですよね。(帰る時に返却)
目黒駅から徒歩10分、すぐ脇には首都高2号線…都心にひろがる森の風景です。
初冬の園路沿いで目立つ赤い実は、イイギリ(イイギリ科)、センリョウ(センリョウ科)など…
またムラサキシキブ(クマツヅラ科)の果実も日に映えていました。
これらは生薬として用いられることはほぼ無いとはいえ、楽しい気分にさせてくれました。さしずめ、こころの生薬と申しましょうか。
イロハモミジ(カエデ科)の紅葉も、12月時点ではまだ見頃でありました。
さて、園内を散歩しながら、見かけた薬用植物たちについてご紹介いたします。
サネカズラ(マツブサ科)
百人一首25番(三条右大臣)「名にし負はば 逢坂山の さねかづら…」で知られるサネカズラです。
古い書籍ではモクレン科となっている場合もあります。
托葉がないこと、果実が液果になること、花粉の形態などから、現在ではマツブサ科という独立科を立てています。
学名はKadsura japonica。Kadsuraは勿論「かずら」から。
どうです?お菓子のような果実ですね。
これで味もスイーツ級だったら素晴らしい…と思いきや、聞くところによると全然甘くなく、賞味するには不向きなようです。
次回、採ってイイ場所でチャンスがあったら、自ら試してみる所存です。
この果実、南五味子(ナンゴミシ)と称し、ゴミシの代用品とされる場合も時にあるようです。
もっとも日本薬局方では、ゴミシとして認められるのは、チョウセンゴミシの果実のみですね。
別名・ビナンカズラ(美男葛)は、整髪に使ったことから…
茎・葉を切って水に漬けておくと、トロトロの粘った透明な液になります。実際やってみましたら、1時間ほどでかなり粘性が出ました。
今で言うヘアージェルですね~付けたらイケメンになれますかね?笑
セキショウ(サトイモ科あるいはショウブ科)
水に洗われる岩などに着生する、細長い葉っぱの常緑の草…水辺の風景によく登場します。
これが、セキショウです。アサロンやセスキテルペンなどの精油を含み、葉を少しちぎると、さわやかな香りを漂わせる、いわば和ハーブのひとつです。
根茎には精油成分が豊富で、セキショウコン(石菖根)として、日本薬局方外生薬規格(局外生規)に収載されている生薬です。
芳香性健胃、鎮静(イライラをしずめる)などの効能があります。
局外生規では、セキショウをAraceae=サトイモ科に分類しています。もっとも、精油を含むことや葉が平行脈であることなど、多くのサトイモ科と異なる点もあって、近年は独立のショウブ科とする場合も多くなっています。
年明けて、ここへきて平年並みに寒い冬となってまいりましたが、12月の時点ではまだまだ暖冬でしたね。
そんなですから…
ほら、ノダケ(セリ科)が咲き残っていましたよ!
セリ科としてはめずらしい、紫色の傘のような花序。本来は秋に咲く花です。
9月の東京都薬用植物園編(第8回)でご紹介した花です。ゼンコ(前胡)という生薬の基原植物のひとつでしたね。
こんなかんじで、今年もゆる~く続けたいと存じます。
今後もどうぞ宜しくお願い申し上げます。