漢方豆知識

第74話　『口内炎・舌痛、膿栓』

　甘露飲（かんろいん）という美味しそうなネーミングの漢方処方があります。
口内炎、舌の荒れ、舌の痛み、歯周炎などに使用されています。
　体の潤いを増やしてみずみずしくし、余分な熱を冷ますことで、口の中を清らかな状態にしてくれる漢方薬です。
　老廃物のお掃除になるため、口臭、舌に付くコケ、そして、のどから出てくる白くて臭い塊の膿栓（のうせん）の対策としても期待できるのではないでしょうか。
コタロー漢方製薬の甘露飲には９種類の生薬が使われていますが、その生薬の一つに「石斛（セッコク）」があります。石斛はデンドロビウムなどのラン科の植物の茎ですが、ワシントン条約で規制されている植物のため、現在、薬局で生薬としては流通していません。
　石斛は甘露飲として製品化された、限られた形でしか手に入れることができない貴重な生薬なのです。
口内炎や舌の痛みに悩む方は、美しく貴重な石斛が配合された甘露飲をぜひ試してみてはいかがでしょうか。


令和２年11月20日　足立よみうり掲載

201120漢方豆知識口内炎・舌痛、膿栓.pdf