創業明治三十九年 仁生堂薬局 東京千住

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2019-01-09

第52話 『咳』

 晩秋のこの時期、咳が長引いてなかなか治らないといったご相談が多くなります。
 中医学では咳のしかた、痰の様子、全身症状から合う咳の処方を選んでゆきます。
 例えば・・・。
悪寒、時に発熱を伴い、のどの痛みや頭痛、薄い痰のような場合は寒邪が体に入り込んだばかりの状態なので、麻黄湯や小青竜湯で、寒邪を外へ追い出したり、肺を温めたりすることで咳を鎮めてゆきます。
 鼻づまりや胸部の違和感、熱感、時に発汗があるようなら、麻杏甘石湯で中にこもり始めた熱を冷まして咳を鎮めます。
 咳が胸の奥から出る感じがし、痰も黄色や緑色で粘っこくなっていたら、小陥胸湯加減で、胸の奥まで進んでいる状態を内側からきれいに整えてゆきます。
 同じように胸の奥からの咳でも、痰が白い状態でしたら、二陳湯や三子養親湯などを使用します。
 また、力が低下した状態であれば、生脈散や蘇子降気湯、八味丸などで体力や免疫力をつけながら咳を緩和してゆきます。

PDF 181221 咳.pdf

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