漢方豆知識

第49話　『体の痛み』

　今年の夏は、クーラーをつけたまま寝ていた人が多いのではないでしょうか。知らず知らずに体に冷えが入り込み、経絡や血の流れを低下させ、それがこれからの季節に体の痛みとなって出やすくなります。
　寒い日や雨の日が特に調子が悪いのは風寒湿痺という痛みのタイプです。
　特徴として、あっちこっちと痛み、関節の曲げ伸ばしがつらく、寒気を感じることもあるなら「大防風湯」や「独活寄生湯」がおすすめです。冷えを取り除きながら血行促進して痛みを緩和します。体力低下による足腰の弱りにも良い処方です。もし、患部に熱を持っているようであれば、桂芍知母湯を合わせると更に効果的です。
　痛みが固定していて、とにかく体が重だるく、むくみやしびれがあるような症状は頑固な寒湿が原因で、体に冷たい湿気がたまっている状態です。「よくいにん湯」は、寒湿を体から追い出して経絡を通すことで四肢を動かしやすくし、痛みを緩和します。
　夏の冷えを冬の痛みにさせないように、今からの予防が大切です。

体の痛み.pdf